401k枠を残すと勿体ない
企業型と個人型(iDeCo)の併用
この10月より確定拠出年金制度(401k)において企業型と個人型(iDeCo)の併用が可能となります。正確には企業型の規約を変更しなくても併用が可能となりますということなので、現在も自身の会社の規約によっては併用が可能な加入者もいらっしゃるわけですが、多くの加入者は10月から併用が可能になるのではないでしょうか?選択肢が増えることは喜ばしいことかと思います。但し、ご自身が加入している企業型にマッチング拠出制度がある場合はNGとなりますのでご確認ください。
条件は?
併用を希望される方はご自身で金融機関を選んでいただき個人型(iDeCo)の口座を開設していただきます。その上で条件は掛金の上限が個人型(iDeCo)20,000円(他の企業年金がある場合12,000円)かつ企業型と個人型(iDeCo)の掛金の合計額が55,000円(他の企業年金がある場合27,500円)までという2つです。
2種類の納付方法
個人型(iDeCo)の掛金納付方法は給与天引きと口座振替の2種類があります。給与天引きの場合のメリットは残高不足の心配がないことや年末調整の手間が省けることなどがあり、デメリットは掛け金の額の変更時はその都度会社に手続きが必要なことなどです。ただ従業員さんにとっては給与天引きにするか口座振替にするかは差ほど違いはないかと思いますが、給与天引きにすると会社側の事務担当者の負担が増える気がします。例えば掛金額の変更がある場合、加入者が異動・退職した場合、休職等により給与から掛金の控除ができない場合などが上げられます。ちなみに私の周りでは口座振替にされる方が圧倒的に多いです。
【参考】事業主の手引き_2022年5月版.indd (ideco-koushiki.jp
併用のメリットは多くはない
しかしながら私が併用をお勧めしていくかというとまずしないと思います。2020年6月21日のブログでも一度投稿していますが、今回個人型((iDeCo)の併用により掛金の上限を増やせるわけではなく、掛金の上限はあくまでも企業型と個人型((iDeCo)を合わせて55,000円(他の企業年金制度がある場合は27,500円)のままだからです。であるならば最初から企業型で上限の55,000円まで掛けた方が社会保険料の削減額がより大きくなる可能性があります。いつも申し上げていることですが、企業型は社会保険料の削減効果がありますが、個人型((iDeCo)にはありません。また企業型とiDeCo(個人型)に分けて加入すると管理手数料は企業と個人の双方に掛かります。せっかく会社が負担してくれている管理手数料を個人でも負担しないといけなくなるということです。もし掛金を増やしたいのならば企業型のなかで増やすことをお勧めします。ただ併用のメリットが全く無いわけではありません。商品の選択肢が増えるということは言えますので、もし自分の気に入った商品が他の金融機関にあるという方は併用を検討されていいと思います。
【参考】2020年6月21日ブログ
https://kinzai-fk.com/2020/06/21/kigyougatatokozingata/