確定拠出年金の掛金上限引き上げ
確定給付年金(DB)併用企業は合わせてMAX55,000円に
現在確定拠出年金制度(DC)の掛金のMAXは55,000円ですが、厚生年金基金など確定給付年金制度(DB)がある場合はその半額の27,500円がMAXとされています。私のお客様にも2社ほど併用されている会社があります。しかし現在の確定給付年金制度(DB)の平均水準は13,000円程度で確定拠出年金制度(DC)との合計額が55,000円を下回っており枠あまり状態のような感じになっています。それを是正するため確定給付年金制度(DB)がある企業のMAXを27,500円と一律にするのをやめて2022年から両制度を合算して55,000円までとなるようです。
【参考資料:確定給付年金制度(DB)と確定拠出年金制度(DC)の違い】
https://www.hokuetsubank.co.jp/dhfg/kakunen/whats_chigai.html
中には不利益変更になる企業もあるかと思いましたが・・・
両制度を併用している企業の9割は今回の改定で確定拠出年金制度(DC)の掛金が増えるようですが、確定給付年金制度(DB)の拠出額だけで55,000円を超えている一部の企業があります。そういった企業は今回の改定で確定拠出年金制度(DC)の掛金が0ということになり不利益変更となってしまいます。従ってそうした企業には配慮して拠出方法を変えない限りは枠を超えた状態を容認する経過措置を盛り込んでくれるようなのでご心配なく。
確定給付年金制度(DB)は利下げの方向
この確定拠出年金制度(DC)の前向きな改革情報が流れる10日ほど前ですが第一生命保険が確定給付企業年金の予定利率を2021年10月より1.25%から0.25%に引き下げるという情報が出ました。もともと低金利で運用環境が厳しいところへコロナ問題が拍車をかけた感じで致し方ないとも思えますが、一気に下げた感じですね。予定利率の引き下げは企業の負担する掛金の引き上げや年金の給付水準の切り下げへに繋がるので企業側は厳しい対応を迫られるかもと危惧しております。
流れは確定拠出年金制度(DC)へ
同じ企業年金制度の改定でも私は今回ネガティブな改革の確定給付年金制度(DB)に対してポジティブな改革の確定拠出年金制度(DC)という印象を持ちました。企業年金制度の流れはやはり確定拠出年金制度(DC)になってくるのだと思います。わずかな会社負担で従業員の年金を作ってあげる。それが弊社のお勧めする選択制確定拠出年金制度(401K)です。皆さんにも積極的に取り入れていただければ幸いです。