米国の確定拠出年金制度(401K)は中途引き出し可能!
税務上のメリットが大きくまた社会保険料の削減にもつながる選択制確定拠出年金制度(401K)を会社が導入してくれているのに制度を利用しない従業員さんの理由で一番多いのは間違いなく60歳まで(加入年齢による)引き出しができないということです。確かに20代の方であれば30年以上積み立てたお金が使えないというのは今後何かあったらっと考えると不安になるのは当たり前かもしれません。老後はまだまだ先の話だから今から老後資金のことを考えるのは早いのではないかという思いもあるでしょう。老後の積み立てもしたいが途中で思わぬ資金の入用ができたときに困るのも怖い。これが選択制確定拠出年金制度(401K)に加入しない方の気持ちかと思います。しかし老後生活は何とかなるから不安がないと言い切れる方もほとんどいないのではないでしょうか?確かに今この制度における積立金の中途引き出しは日本では認められていません。国としては老後の資金準備を支援したいので安易に途中で引き出してもらっては困る。また積極的に老後資金準備をしていただきたいから全額所得控除という大きな税務上のメリットがあるんですよという思いもあると思います。それは頷けるところです。
一方日本がこの制度を創設するにあたりモデルとした米国の確定拠出年金制度(401K)はどうなんでしょう?実は米国の確定拠出年金制度(401K)は一定の条件のもと中途での引き出しは可能なのです。米国の確定拠出年金制度(401K)は事業主が認めた場合、所得税とは別に10%のペナルティ税を支払えば中途引き出しができます。ただし、住宅購入費、教育費、高額医療費などの支払いの場合には、ペナルティ無しで引き出し可能となっています。安易な引き出しはできないよう課税や理由によってはペナルティはありますが、どうしても必要だという方は利用しそうな感じですよね。この米国の確定拠出年金制度(401K)をモデルとして2001年(平成13年)年10月から開始した日本の確定拠出年金制度(401K)はその掛金や条件、対象者をどんどん拡大しながら推進を図っています。そして以前ブログでも書いた通り2022年には継続加入年齢が企業型、個人型(iDeCo)とも5歳延び個人型(iDeCo)には全会社員が加入できることとなります。
今より一層の加入者を増やしたいのであれば特に若い方が加入を躊躇する一番の原因である中途引き出しの問題を米国のように一定条件のもと可能とするようなオプションをつければ間違いなく加入者は増える気がします。しかしただ加入者を増やすことが目的なわけではありませんし、あくまで老後の資金作りを1人でも多くの方にしていただき豊かな老後生活を送っていただきたいというのが大前提です。そのためには中途引き出しはよほどの場合と考えていただきたいですね。中途引き出しにはデメリットもありますし、私は中途引き出し賛成派などでもありませんからそれを安易にお勧めしようとも思いません。日本と米国では国民性やお国の事情また老後に対する意識の違いもあるので日本でも中途引き出しを可能とすることがいいことかどうかはわかりません。しかし米国のように中途引き出しでは税務メリットが消えてしまう。また理由によってはペナルティがあるというようなやり方で新たな選択肢を1つ増やすことはいいことではないかと私は思います。