利益確定のタイミング
日経平均株価の好調
今月に入って日経平均株価が最高値を更新といニュースが何度かあっています。このような局面になると「利益を確定すべきか、それとも保有を継続すべきか」悩む方がいらっしゃるかもしれません。実際今利益を確定した方がいいのではというお問い合わせがおのずと多くなります。今回はそのお話をしていきたいと思います。尚、これからするお話はあくまで確定拠出年金(401K)の投資信託運用におけるお話しとして参考にしていただければと思います。
確定拠出年金(401K)の特異性
まず頭に置いていただきたいのは確定拠出年金(401K)の資産は他の資産と違って最短でも60歳までは使うことが出来ないということです。従って通常は利益を確定させるため売却して現金化しますが、確定拠出年金(401K)の利益確定はスイッチング機能を使ってそのお金を定期預金などの元本確保型へ選択商品を変更をするにすぎません。すぐには使えませんし、持ち出して例えばNISAなどの投資に回すということも出来ません。
メリット・デメリット
メリットは利益を確定させたことによる安心感と得した感を得ることは出来るかもしれませんが、それ以上増やすことは難しくなります。売却後さらに株価が上昇した場合、そのリターンを取り逃す「機会損失」が発生することがデメリットと言えます。特に強い上昇トレンドが続く相場では、早期に利益を確定したことで最終的なパフォーマンスが下がる可能性があります。「売らなければよかった」と後悔することになるのは、とてももったいないですよね。
その後をよく考えて判断
もちろんそこから再度スイッチング機能を使って新たな投資信託へ移換は出来ますが、一度に移換する場合ドルコスト平均という時間分散効果が働かないためその後下落した場合のリスクが上がると考えます。従ってその移換のタイミングも重要になりますが、相場を見て売買するのはプロでも難しいと言われています。一括の売却ではなく段階的な利益確定という手法もありますが、いずれにしましてもせっかく現金化した資金を遊ばせてしまうのは避けたいところです。受け取り予定が近い方はこのタイミングでの売却というのも選択肢ではあると思いますが、常にその資産を受け取るまでにあと何年あるかということを頭に置いて判断してください。確定拠出年金制度(401K)の資産はすぐに使えないので今は「絵に描いた餅」だと言われる方もいらっしゃいます。相場の熱気に流されず、基本的にはお金を使うときが来るまでは、淡々と資産運用を続けていくことをお勧めします。