70歳までの雇用が努力義務に
2021年4月改正法施行
希望する人の70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となりました。2020年6月1日時点で、再雇用など66歳以上が働ける制度がある企業の割合は大企業(従業員300人以上)で28.2%、中小企業(同31人~300人未満)で34.0%とのことなので、今はまだ3割程度の会社しか66歳以上の方が働ける環境にはなっていないようです。
最近よく見かける光景
最近ファーストフード店などで明らかに60代以上だろうと思われる方が働いている姿をよく見かけます。女性はレジ対応、男性は店内の片付けや消毒など与えられた仕事を一所懸命こなす姿には感激します。おそらくパート、アルバイトという立場で働かれていると思いますが、高齢者でも働くことを希望する方も多いのだなとも感じています。今回の改正法の施行はそういった高齢となっても働くことを希望される方々の受け皿になりますし、生き方の選択肢が増えるという意味ではとてもいいことだと思います。
社会保障制度の面から
一方で70歳まで働いてもらえれば公的年金の受け取りを70歳まで延ばす人が増えて年金財政が少しでも改善するのではという考えもあるのだろうと私は思っています。66歳~70歳の方に年金を受け取る側から社会保険料を納めてもらう側に回ってもらえれば、少子高齢化による年金財政悪化対策の1つとなりますよね。そして1年後2022年4月から公的年金や企業型確定拠出年金、個人型確定拠出年金(iDeCo)の受け取り年齢が現在の70歳から75歳まで延ばすことが可能となります。公的年金は75歳まで受け取りを伸ばすと年金額は年84%増しとなるそうです。しかし現在の男性の平均寿命は2019年で81.41歳です。75歳から受け取り、平均寿命まで生きたとするならば公的年金をもらえるのは6~7年ということになります。40年~50年保険料を納めて、もらえるのは6~7年かよという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
何歳まで働きますか?
選択肢はたくさんあっていいと思います。何歳まで働いて何歳から年金を受け取るか人それぞれです。自分の人生に一番合っていると思う働き方、また年金の受け取り方を検討していってください。以前から公的年金だけに頼らず確定拠出年金制度をうまく利用して自分年金を作ることをお勧めしております。それがあると先ほどの何歳まで働き、何歳から年金を受け取るかを考えるときの選択肢を増やせるものと考えます。最近は高齢になっても働くのはただ収入の面だけではない、ボケ防止のために働くんだという元気な高齢者も多くいらっしゃいます。ただ収入のためにだけに働かなくてもいいように今から確定拠出年金制度を上手に活用してください。