確定拠出年金制度と退職所得控除
確定拠出年金制度を利用するメリットの1つに受け取り時は退職所得扱いになるといことがあります。
退職所得は日本の所得のなかで最も税金が安いと言われています。理由は比較的大きな退職所得控除が使えるからです。退職所得は次のように計算します。
例えば勤続年数20年の方であれば800万円までの退職金は退職所得控除以内なので税金は0です。21年目からは1年あたりが70万円と増額され控除が更に大きくなっていきます。もし退職所得控除額よりも多くの退職金をいただいたとしても超えた分の1/2にしか税金は掛からないので退職金の総額からするとわずかな税金で済むということが言えると思います。
しかしこの退職所得の計算は上記の通り勤続年数が長くなるほど有利になるようになってます。
先月7月21日の新聞記事に『転職阻む「勤続20年の壁」』というタイトルで掲載があり、これは終身雇用を前提とした税制であると指摘していました。悪いということではありませんが、現在は働き方も様変わりしてきており1つの会社に勤めることだけにスポットを当てたような税制は今の時代にそぐわなくなってきていると私も思います。会社の退職金の場合は転職を繰り返せば各会社における勤続年数が当然短くなり退職所得控除のメリットを受けにくくなります。そういったこともあり退職給付制度は特に若者には遠い存在となり減少傾向にあることも記事には記されていました。
ところが確定拠出年金制度では転職をしても勤続年数を通算できる。
えっと思われるかもしれません。この場合勤続年数というとわかりにくいと思いますので、確定拠出年金制度への加入年数だと思ってください。これは例えば転職した会社に企業型の確定拠出年金制度が無く、個人型(iDeCo)に移換しても同じように通算できます。これだと退職所得控除のメリットを引き継げますよね。
昔ながらの退職給付金制度の代わりとなる確定拠出年金制度の導入。
その中で選択制をうまく利用して毎年給与所得で所得税や住民税を払うより1部を選択制確定拠出年金制度に回して退職所得として受け取る方が税制面で有利なるかと思います。これは従業員さん個々人が任意でできるということも付け加えておきます!