企業型とiDeCo(個人型)が併用できるようになりますが・・・!?
今回成立した年金改正法で2022年5月から企業型確定拠出年金制度(401K)の加入年齢が70歳まで可能になるということは前回のブログでご紹介いたしましたが、もう1つ私的年金に関する改正が同年10月にあります。それは企業型確定拠出年金制度(401K)を導入している企業が規約を変更することなくiDeCo(個人型)を併用できるようになるということです。最初は自営業者と一部の民間で働く会社員しか加入できなかったiDeCo(個人型)が、2017年1月より20歳以上60歳未満のほとんどの方が加入できるようになりました。そして今回の改正で全会社員のiDeCo(個人型)利用が可能になるということかと思います。そしてこの改正で例えば全員加入型の確定拠出年金制度(401K)などで会社が掛金を負担しているような企業では会社の掛金だけでは老後が心配だという方などの選択肢が増えたといういうことは間違いありません。
しかしでは私が企業様に対して企業型+iDeCo(個人型)の導入をお勧めしていくかというとまずしないと思います。なぜなら最初から選択制確定拠出年金制度(401K)を導入した方が企業にとっても役員様・従業員様にとってもメリットは大きいと考えるからです。企業型とiDeCo(個人型)をダブルで使うと掛金が多くなりそうな気はしますが1人当たりの最大掛金月55,000円(他の企業年金制度がある場合は27,500円)は同じです。つまり企業型とiDeCo(個人型)を合算して最大月55,000円なのです。しかしこれを企業型とiDeCo(個人型)に分けて加入すると管理手数料は企業と個人の双方に掛かります。役員様・従業員様からするとせっかく会社が負担してくれている管理手数料を個人でも負担しないといけなくなるのです。掛金を増やしたい方は企業型のなかで増やせば個人で管理手数料を払う必要はありません。またiDeCo(個人型)は会社も個人も社会保険料の削減にはつながりません。会社として(個人も同じかもしれませんが)同じやるなら社会保険料削減が可能となる企業型の掛金を増やしてくれたほうが有り難いということもあるのではないでしょうか。
では企業型にプラスしてiDeCo(個人型)に加入するメリットはどこにあるのか?1つは管理手数料は自分で負担しても、自分で気に入った金融機関や運用商品を選べるということだと思います。企業型の場合は会社が契約した金融機関でそのなかで決められた運用商品を選ぶしかありません。特に定期預金のような元本確保型ではなく投資信託のような元本変動型を選びたい、自分の買いたい投資信託があるというような方にはメリットがあると言えるかもしれませんね。
今後企業型確定拠出年金制度(401K)の導入を考えていらっしゃる経営者の方は上記を参考にしていただければ幸いです。